恋人は隠れ既婚者【前編】



「もしかして…乗れないんじゃないの〜?」


私は彼を見上げて、腕の肘で彼の腕を突く。


『フン!乗れるさ!行くぞ!』


彼が宣戦布告をしたあと、ずんずんと歩いて列に並んだ。


「まっ、待ってよぉ!」


『「きゃぁぁぁーーっ!!」』



結局、彼が青ざめた顔色へ変わったのは言うまでもない。