恋人は隠れ既婚者【前編】



こうして、忙しいだろう年末の一日を私と過ごしてくれることになったのだ。


『何処に行きたいの?』と聞かれた私は、遊園地と答えた。


かなり子供じみていると思われたに違いない。


好きな人と遊園地に行くというのは、30歳の私にとって大切なデートだ。


ただ、遊園地に着いて知ったことがある。


実はさが兄は乗り物が苦手というから驚いた。


今更、言われてもねぇ…