『お前、泣いてたら何にも始まらないぞ?』

気がついたら話をかけていた。

…ほっとけばいいのに…何やってんだろ、俺は…

『誰?』

か細い声。

女の子を抱き上げた。彼女は驚いた顔をした。


人間年齢で5・6歳ってところか…

俺はこの時、人間年齢で9・10歳で、悪魔年齢では成人する少し前。




『お前と半分同種。』

女の子は首を傾けた。

『半分同種?』

『後で詳しく教えてやる。お前名前は?』

『美弥』

美弥ね…

『俺、東堂秀長。俺と一緒に暮らす?』

…本当、何言ってんだ?

『いいんですか?』

『いいよ』

この子に同情でもしているのだろうか…?