俺が初めて美弥に会ったのは、寒い寒い2月の始め。






『秀長さん、どちらに?』

玄関で靴を履いていると後ろから声をかけられた。

親父の後妻。同じ悪魔のくせに化粧がやたら濃い。

『気分転換に散歩です。思うように生け花が出来なくて…』

俺は悪魔で、日本に住んでいて、花道の家本。




家を出て適当に歩き回っていた。

『出て行け!!この悪魔が!!』

閑静な住宅街に罵声が響いた。

目の前に小さな女の子が中年の夫婦に家を追い出されていた。

あの子は…H.D.だな……可哀想に…自分を見ているみたいだ…


夫婦は家の中に入ってしまった。
女の子は声は出さないが、泣いていた…