髪の赤い女子がいた。

俺は、クラスでいつも1人でいたそいつに興味を持った。


* * * * * *
俺だけが知っている

夏木翔
長峰葵
* * * * * *


「ん? 長峰はどうした?」


5限。

国語の山元がそう言ったので、俺は葵の席を見た。


「午前中はいましたー」


誰かがそう言った。

山元は困った顔をした。



「先生!」


俺はそう言いながら立ち上がって、ドアに向かって歩きだした。


「こら夏木! お前までどこ行くんだ!」

「長峰さん探してくるよ! 任してッ」


俺はピースを作って走りだした。

山元が何か言っていたけど気にしない。



葵の居場所は探すまでもなかった。

いつも屋上にいるんだ。