激しい歓声が収まっていくと、雅也君はマイクを手に取った。
「こんばんは。
今日はROTのライブに来てくれて有難う」
『雅也ーっ!!』
女の子の声が飛ぶと、雅也君は軽く微笑んだ。
「ROTは…今年、結成して2年になります」
『おめでとー!!』
『いぇーい!!』
飛び交う歓声の中、
雅也君は笑う。
「結成当時はね、客が本当に居なかった。
だから、今、こんなに人が居て…こんな景色が見れて。
感動してます」
わぁああっ……
答える会場内。
「最初に…
ROTを応援してくれている皆さんに、感謝の気持ちを込めた歌を贈ります」
…………え…
「これで皆に聞いてもらうのは初めてで…緊張してるけど」
雅也君が微笑んだ。
「俺らなりに…音楽って何だろうって、凄く考えて…
俺らが集まった意味は絶対にある。だからそれを形にしようと思い…作った曲です。」
会場の人々は、静かに聞いている。


