「沙良~!
早く早く~っ!」

「今行くっ!!」



翌日、
友達の彩香と共に、
いつものライブハウス。




ドリンクを貰ったあたしは、彩香の元へ人を掻き分け進んでいった。



「今日人多くない!?」


ざわつきがやけに大きいため、大声で話さなければいけない。



「そりゃあ皆、
ROTが見たくて来てるに決まってんじゃん~♪」


彩香は、楽しげに笑ってあたしを見た。



ROTとは、将ちゃんと雅也君の居るバンド名。


まだ小さなハコでしかライブは出来ないけど、ROTの知名度は上昇している。


人気があり、今期待されているインディーズバンドなのだ。





「とか言って、彩香は理央君が見たいだけでしょー」

「あははー♪
まぁねー」



理央君とは、ROTのリーダーでドラム担当。




「にしても沙良?」


彩香が、ニヤニヤと笑いながら言った。




「んー?」



ライブが始まる前なのにライブハウスには人が沢山だった。


彩香が先に真ん前を取ってくれていたから、良く見える。





しかも将ちゃんがよく見える上手側♪