幻妖奇譚

 ――……ゲーム?

『あんた、ゲームに使われてんのよ?』

 さっき聞いた言葉が頭の中で谺(こだま)してる――。

 足が竦んで動けない――。目の前が、真っ黒い布を被せられたかのように真っ暗になる。

 カチャ……

 それなのに、あたしは何故かドアを押していた。

「……ッ!? 関口……ッ!!」

 ドアを押した向こう――話をしていた男の子達が驚いた顔であたしを振り返る。

 その中心に……ここにいなければいい、と密かに願った人物の姿を見つけた――中原くんだった。

「関口ッ……あッ、お、遅かっ……」

 関口?なんで中原くんが“関口”なんて呼ぶの?

「…………ね?」
「え?」
「嘘だよね? さっきの話……」

「…………」

 重苦しい沈黙が続く中――中原くんの口が動いた。

「……ごめんッ!! 嘘じゃないんだ……。でも俺ッ……」

「何してんだよ、中原? 自分からネタバレするなんてよッ!」

 周りにいる男の子達が、いわゆる“ゲームの終了”を咎め出した。

 別の男の子が、口を開く。

「悪ぃ、関口。でももうちょっと騙されてくれてりゃ俺が勝ったのにさぁ~。で? 一週間って予想してた奴、誰?」