幻妖奇譚

「最近、中原に付きまとってる関口ってあんた?」

 中原くんと付き合う事になって一週間が過ぎたある日の昼休み……二人分のお弁当を持って屋上へ向かう途中にあたしは、何人かの女の子に呼び止められた。

「あんたさぁ、ちょー調子こいてね?」
「つーか、手作りのお弁当とかって見ててイタイんですけど?」
「からかわれてんのぐらい、気付きなさいよ」

 この人達、なに言ってるの?からかわれてるって……何?

「あ、あの話が全然見えないんだけど……」

 本音は怖かったけど、いきなり失礼な事言われて黙ってられるあたしじゃない。

「は? あんたマジで気付いてないワケ?」
「……男子が調子づいてカケするのも頷けるわ」

 だから何の話なの?さっきまで威圧感で押していた彼女たちが、溜め息をつく。

「教えててあげる。あんた、男子のゲームに使われてんのよ?」

「ゲーム?」

「実は夏前にもあったんだけどさ、男子たちがクラス写真をダーツの的にして当たった女子に告白して、みんなが指示したお題をクリアするっていうね、馬鹿な遊びよ」

「…………」

「今までの子で騙された子がいなかったんだけど、あんた全然気付く気配ないしさ、嘘の告白に乗じて調子乗って付きまとってんじゃないかってね」