幻妖奇譚

 どこに行く気だろう……?

 場所を移動するわよ、とサキに連れられた場所はアクセサリーショップ。

 小学生には手が出せない高価そうな商品が陳列されている。

 光江はある商品の前に立ち止まると、辺りをキョロキョロと見渡す。

「……盗るわよ」

「えっ!?」

「あたしがそうさせないけど」

 光江が手にしたネックレス――天使の羽をクリスタルにモチーフされた可愛いデザインだった。

 光江が一旦それを置いたと見せかけて、器用に手の中に収めようとした時――






 ピシッ

 コロン、と天使の羽のカケラが光江の手から零れ落ちる。

「な……ッ!?」

 大きな声を出しかけ、左手で口を押さえる光江。

 再び辺りをキョロキョロして、手の中で砕けたネックレスをそっとその場に戻した。

 しかし光江は懲りずにまた別の商品に目を付けた。

 今度はバングルの前に立ち、物色を始める。

 光江が白のバングルに手を伸ばす。






 パーン!!

「きゃっ!?」

 白のバングルが音を立てて一気に砕け散った――!!

 音に驚き、尻餅をつく光江。音を聞き付け、店員が近付くが光江は急いで立上がり、そのまま店を出て行ってしまった……。