「出会ってたんだ。」


「ああ。出会ってたんだよ、俺たち。」


「ここで、小さいころに。」


「出会ってた。」


俺の中で。


忘れていた、記憶のかけら。


ひとつひとつ、埋まっていく。


そんな感じがした。


「龍矢。」


美和が手を差し出した。


それを、ぎゅって握る。


つながってた。


ずっとずっと前から。


私たち。

俺たちは。


つながってたんだ。