「ありがとうございます。」


「自分の道をしっかり歩いてください。」


「はい。」


「それから、三木先生とお幸せに。」


「はい!」


式が終わって教室に戻る。


今から。


龍矢の先生としての最後の仕事。


最後のホームルーム。


「卒業式、お疲れ様です。」


龍矢が話し出した。


「みなさんの受験が大変なときに、僕の噂など大変な思いをさせてしまったと思います。保護者の皆様にも、大変な迷惑を掛けてしまいました。」


そう言って、頭を下げた。


「正直、みなさんの卒業を見守れなかもしれないと思いました。それでもこうして、みなさんの立派な姿を見ることができてよかったです。僕も卒業します。これからも、自分の道を見失わないように、歩いていってください。」