そんなの。


龍矢に迷惑かかっちゃうよ。


「ホームルーム始めます。」


いつものように、龍矢が教室に入ってきた。


「先生、聞いてもいいですか?」


「なんですか?」


一人の男子が声をあげた。


「三木先生が、この学校の生徒と結婚してるって聞いたんですけど、ほんとですか?」


「なんですか、それ。どこからそんなこと聞いたんです?」


「誰かが、校長室からそんな話し声が聞こえたって、今噂で持ち切りですよ。」


教室中が、ざわざわしていた。


「それは、その人の聞き間違えではないですか?この話は終わりです。ホームルーム始めますよ。」


なにもなかったように、龍矢はホームルームを進めていく。


教室の中も、龍矢がこれ以上話すことはないというオーラを感じたのか。


しだいに、静かになっていった。