「入試対策のプリントです。しっかり読んでください。それでは、今日はおしまにします。」


その声に、教室中が動き出す。


パラパラ資料を見てると、由衣が声を掛けてきた。


「美和、部活は?」


「行くよ。」


「なに?進路?」


「うん。由衣は?」


「私?私は決まってるよ。」


「うそー早い。」


「早くないって。もうみんな、どこ受ける考えてるんじゃない?」


「そうなの?」


「美和はどうなの?」


「わかんない。さっぱり。」


「早くしないと、あっという間に過ぎてくよ。」


「そうだよね。」