「なにが?」


「私の面談、最後にしたの。」


「別に。たまたまだ。」


絶対仕組んだ。


だって今。


あの意地悪な笑いをしたんだもん。


もう一度、キスされそうになったとき。


廊下から、大きな音が聞こえた。


「なに?」


「俺が見てくる。」


龍矢がドアを開けて、廊下を覗いた。


「大丈夫ですか?・・・・気をつけてくださいね。」


そう言うと、ドアを閉めた。


「なんだったの?」


「生徒が部活の道具を落としただけだ。」