原瀬 桜、16歳。 神様が、心底大嫌いな、高校一年生。 私は今日も、大嫌いな数学の授業をサボり、一人、屋上へ向かった。 昼食前の時間になると、必ず開放されているこの屋上は、私の唯一の居場所。 この屋上から見上げる空は、この空だけは、私を受け入れてくれる。 だから私はこの屋上が好き。 汚れのない、青空が好き。 例えこの大空が、大嫌いな神様の所有物だとしても構わない。 だってこの景色は、私だけのもののような… そんな気がするから。