「そうか。そいつぁ、よかった」
元ヤンキーだし、ぶっちゃけ顔も怖いのに、マスター夫妻の笑顔は本当に暖かく、やさしく、そして申し訳ない気持ちになった。
「あたし、いろんなヒトに迷惑かけたね……勤さんと江波さんにも謝らなきゃ……」
「キミが無事に見つかった、ってことは俺がさっき連絡しといたよ」
「ありがとう……父にも、ちゃんと事情を説明しなきゃね……」
翌朝、12月25日クリスマス――――
目を覚ますと、昨夜から降り続いた雪が積もって、見渡すかぎりあたり一面の景色が、うっすらと雪化粧をしていた。
見慣れた近所の家々も、ビルも、道路も、街路樹も、みんなお化粧をして、いつもよりずっと綺麗に見える。
やがて起きてきた父がダイニングでコーヒー片手に朝刊を読みはじめると、キッチンでエプロン姿のあたしは父のお弁当を作りながら、背中を向けたまま話かけた。
ちゃんと話さないといけないのは分かってるけど、どうしても顔を見て話すことができなかった。


