恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~


そう言うと、彼はやさしくあたしの肩を抱き寄せた。


「本当の気持ち……あたしにください」


あたしは目を閉じてキスを待った。


“ドクン…、ドクン…、ドクン…”


たぶん、このとき胸のホルター心電図の針は、壊れて吹っ飛んじゃいそうなほど、めいっぱい振り切れてただろうと思う。


“ドクン…、ドクン…、ドクン…”


お願い、心臓がクチから飛び出す前に、早くキスして唇をふさいで……。



だけど―――


「ヤッパやめとこう」


思いもよらない彼の発言だった。

「え…どうして?」

あたしは目を開けて、至近距離の彼を見つめた。息がかかりそうなほどの至近距離だった。