「そうだ♪ 今夜……まだあたしが18歳でいるあいだにプロポーズしてくれたら、あたしの夢だって叶っちゃうんだよ♪」
「それだけじゃダメだ。婚姻は役所にその旨、届け出てはじめて公(おおやけ)のものになるんだ」
「ソレってタダの形式的なことでしょ? お互いのあいだに結婚する気があれば、それでいーじゃん」
「…っ」
彼はなにかを言おうとしてるみたいけど、あたしはかまわずしゃべり続けた。
「今夜、プロパーズしてもらってぇ、挙式は半年後の6月だから、あたしは憧れのジューン・ブライド♪ 双子の子どもはお兄ちゃんが優人くん、妹は愛美ちゃん♪」
「待てよ! 一方的にしゃべんなよ!」
「ずっと好きだった女のコから“結婚して”って言われてるのに、喜ばないなんて、誠志郎さん、バカだよ。バカ、バカ」
今日はいったい何回“バカ”って言われたんだろう。さすがの誠志郎さんも、ついにここでキレた。
「だから桐矢に勝つまではゼッタイ結婚できない、って言ってんだろっ!!!」
キレた誠志郎さんをはじめて見た。すごく怖い顔だった。誠志郎さんでも、そんな顔をするんだ、と思った。


