「フンッ」
あたしはワザと彼を小馬鹿にしたように笑ってやった。
「カッコつけすぎだ、っつーの。なにが“俺はキミと結婚する資格がない”よ。バッカじゃない!」
「ま、毬ちゃん…!?」
彼は目を丸くして驚いている。それに、きっとものすごく動揺しているはず。多分、彼の人生の中で、おバカ呼ばわりされた初体験なんだと思う。
「シカクだかサンカクだか知らないけど、そんなのカンケーないじゃん。あたしが結婚したい、って言ってんだし」
「関係あるよ、大アリだ!」
「ない、ない♪」
そのときの彼の態度は真剣そのものだったけど、対するあたしはいーかげんそのものの態度だった。
「いいか? 司法試験に合格しないままキミと結婚したんじゃ、桐矢に勝ったことにはならないんだぞ」
「それこそ、あたしにはカンケーないし♪」
「キミになくても俺にある!」
あたしに茶化されて、いつもクールな彼は珍しくムキになってるのがハッキリ分かる。いや、珍しくとゆーか、こんな彼を見るのははじめてだ。


