恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~

「毬ちゃん……」

「だけど、そんなことしちゃダメなんだよ。本当に好きなヒトとじゃなきゃ、結婚なんてできないんだよ」

「………」

「だからお願い、返事を聞かせて。あたし、フラれても後悔しない、本当の気持ちを全部伝えたから……。あたしは誠志郎さんが好き。今度はあなたの気持ちをあたしに伝えて」

あたしは真っすぐに彼を見つめた。

言いたいことは全部言った。本当の気持ちを全部伝えた。あと、あたしにできるのは彼からの返事をじっと待つことだけだ。

彼は黙ってうつむいた。


“ドクン…、ドクン…、ドクン…”


心臓の鼓動が耳に聞こえてくるみたいだった。ホルター心電図にも、このドキドキは記録されているはず。あとで心電図の記録を見たとき、なんでこんなにドキドキしたのか訊かれたら、なんて説明しよう……。


“ドクン…、ドクン…、ドクン…”


不安だった。不安で不安でしかたなかった。


“ドクン…、ドクン…、ドクン…”