「おめでとう、毬ちゃん」
「よかったねぇ」
「え…!?」
マスター夫妻はお祝いの言葉をかけてくれてるけど、クリスマスイブにフィアンセと別れて、おまけにクルマに轢かれそうになったあたしのどこが“おめでたい”のか全然分からなかった。
「あんなことがあった後だし、言いにくかったのかもしれねぇけど、剛のことなんか気にしねぇで、ワシらには教えておいてほしかったな」
「そうだよ、毬ちゃんもヒトが悪いねぇ」
「なんのこと…?」
あたしには夫妻の言ってる意味が全然分からなかった。
「結婚したんだろ? 毬ちゃんと誠志郎」
“どうして、そーいう話になるの!?”とあたしは思った。
「マ、マスター、俺ら、結婚なんて…」
誠志郎さんも急にヘンなことを言われてとまどっているみたいだった。
「でも、毬ちゃんの左手に指輪が…」
そっか、勤さんにもらった指輪を見て勘違いした、ってことか。
「よかったねぇ」
「え…!?」
マスター夫妻はお祝いの言葉をかけてくれてるけど、クリスマスイブにフィアンセと別れて、おまけにクルマに轢かれそうになったあたしのどこが“おめでたい”のか全然分からなかった。
「あんなことがあった後だし、言いにくかったのかもしれねぇけど、剛のことなんか気にしねぇで、ワシらには教えておいてほしかったな」
「そうだよ、毬ちゃんもヒトが悪いねぇ」
「なんのこと…?」
あたしには夫妻の言ってる意味が全然分からなかった。
「結婚したんだろ? 毬ちゃんと誠志郎」
“どうして、そーいう話になるの!?”とあたしは思った。
「マ、マスター、俺ら、結婚なんて…」
誠志郎さんも急にヘンなことを言われてとまどっているみたいだった。
「でも、毬ちゃんの左手に指輪が…」
そっか、勤さんにもらった指輪を見て勘違いした、ってことか。


