恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~

自分でも驚くほどの、かみつくような勢いの激しい言い方だった。

「…ったく、うるせーオンナ。お前みたいのに来られちゃ迷惑だ。マリヤはまだコッチに来るな。死ぬにはまだ早ぇ、っつーの」

両手の人差し指で耳をふさぎながら、そうボヤいたアイツの声を…、



“キ、キィィィーーーーッ!!!”



…と、巨大な怪鳥が吠えるような甲高い音が打ち消した。


目を開けると、あたしに向かって突っ込んできていたクルマが、目の前数十センチのところで急停車したところだった。

「バカヤローっ! 死にてぇのかっ!!」

運転席から若い男のヒトが、鬼のような顔をしてヒステリックに怒鳴りつけてくる。

「死にたいよ……」

「ヘ…?」

拍子抜けしたような男のヒトの声。

「こんな世の中、生きてても何もいいことなんてないよ……ブレーキなんか踏まないで、そのままイッキに轢き殺してくれたらよかったのに……」