そのとき、あたしは“このまま帰りたくない”って思った。
“彼とのクチから、もっと話を聞きたい”って思った。
「ねぇ、3年ぶりに会ったんだし、よかったらもう少し話しない?」
「でも今夜はデートなんじゃ…」
「彼、6時半に迎えに来る、って言ってたから、それまでに家に帰ればいいよ。まだ時間あるし、歩きながら話すのもナンだから、公園に行ってゆっくり話そ?」
あたしと彼は、ココから少し歩いたところにある公園に場所を移動した。
すっかり日の傾いた公園に人影はなく、あたしと彼はそれぞれブランコに乗った。
“キーコ…、キーコ…”
あたしはちょっとウキウキしながらブランコに腰掛けて揺られていた。
でも彼はただブランコに腰掛けているだけで全然揺らそうとはしなかった。
「ねぇ、誠志郎さん」
「ん?」
「誠志郎さんは今でもあたしのことが好き?」


