恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~

だから、あたしはアイツの自転車を追い越してやった。

「なにカッコつけてんのよ。敵にボール獲られたクセにさ」

「なっ…」

「あのとき、誠志郎さんが敵の攻撃を防いでくれたからこそ、剛の流星シュートにつなぐことができたんじゃん」

「そ、それは…」

振り向いて見ると“痛いところを突かれた”みたいなひきつった表情をしている剛。

「誠志郎さんがいなかったら、剛は今ごろチームのみんなにボコボコにされてるわよ」

「…ったく、うるせーオンナ。だいたいよぉ、部外者のクセして、オレらの大学のサッカー見に来てんじゃねぇよ」

あたしの自転車を追い越す剛。

「だって、あたしは“勝利の女神さま”だもん♪ 今日の試合だって、あたしがいたから勝てたんだよ♪」

「ケッ。もし、お前が本当に勝利の女神だとしたら、オレ様がワールドカップに出場したとき、オレ様の応援にゼッテェ来いよ。そしたら日本もワールドカップで優勝できる」

「そーいえば桐矢の夢は“ワールドカップで日本チームを優勝させること”だったな」

誠志郎さんの自転車も、あたしたちに追い付いた。