恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~

「あぁ、できないな」

にべもない言い方だった。

「ハァ…」と大きくため息をつくあたし。

「どうした? 急にションボリして」

「なんでもないよ……」

重い足取りで診察室を後にしたあたしは、その後、会計をしてもらって、やっぱり重い足取りで病院の外に出た。


“ホルターを外してもらえないなら、勤さんにデートは先延ばしにしてもらおっか…”

バッグの中のケータイに手を伸ばすあたし。

“でもレストランの予約を入れたとか言ってたし、ヤッパ無理だろうな……”

…などとひとりで悩んでいると、不意に…、



「待って!」



…と言う女のヒトの声に呼び止められた。

振り返ると、そこに病院から飛び出してくる江波さんの姿があった。

「江波さん……どうしたんですか? まだ検査が残ってたとか」

「ううん、そうじゃないの…」