『卑怯者っ! 』


睨みつけると奴は嬉しそうに身体を震わせる。


『ああ...もっと言って? 舞...興奮する...。』


一歩、前へ。


『こっち来ないで! 』


後ろは分厚いガラスの壁。

しかも冬夜側からは見えないミラーガラス。


また一歩。


『変態っ! 大嫌い! 』


『こっちも楽しもうよ? 』

べろりと舌なめずりして。

また一歩。


(絶対あんな奴なんかの言いようになるもんかっ! )

唇を強く噛み締め精一杯身体を壁にくっっけた。


事の発端は三日前。