『こらぁっ! 出しなさいよっ! 』


ミラーガラスを叩く手が痛い。


『冬夜っ! 気づいてっ! 』

(...なんでっ! なんでこんな事に...。)


ガラスの向こうに冬夜。


安心したように笑って。


あたしにキスしようとしてる。


『冬夜っ! そのあたしはあたしじゃなくてっ! 』


必死に叫ぶけど完全防音のこの部屋からあたしの声は届かない。


『一途だね? 舞は? 』


奴が艶やかな声で言った。