私の彼は王子で死神

『何? 』


『俺のせいで...舞が。』


弱々しく話す様はいつもの意地悪で自信満々の冬夜じゃなくて。


『そんな事ないよ? 元々あたしが結界入っちゃったんだし...だから気にしないで? それにあの事が無かったら冬夜、あたしの事知らなかったと思うし...。』


『舞の事は...知ってた。』


『え....。』


一気に心臓が跳ね上がった。


『...そうなの? 何時から?』


『名前...冬夜って初めて舞から呼ばれた。』


あたしの質問には答えず、少し笑うと再び冬夜は目を閉じた。


『夏月だけど...魔王様が話あるって。』


扉の向こうから声が聞こえてあたしはそっと立ち上がった。