『王子っ! 』


しゃがんで見ると苦しそうな顔で、それでもあたしを護ろうと必死で立ち上がろうとしてくれている。


『止めて下さいっ! 』


勢い良く顔を上げて言うとその人...氷夜さんの瞳が驚きに見開かれた。


『光の...姫君。』


(ひかりの...何? )


腕を思い切り引っ張られ、いきなり強い力で抱き締められる。


『ああ、やっと僕の元に帰って来てくれたんだね? 転生して。』


『はな...してっ! 知らない...あたしは舞です。』


何がなんだか分からない。

でも。


(やだっ...。王子じゃないと。)