『はいっ! 』


気迫に圧されてあたしは王子の背中に回った。


でも好奇心からそっと覗いて見ると、車がぴたりと止まり、中から長身の男の人がゆっくり降りて来た。


腰までの青い髪に。


薄い青の瞳。


唇には冷笑。


なにより王子に似ていた。

顔だけは。


(全身から冷気が出てるみたい。)


『冬夜、久しぶりだな? 』

その人は探るような瞳で王子を見詰めた。