『へ? 』


『舞...俺は...。』


急に真剣な顔になって何か言い掛けたその時、王子の身体が一瞬震えた。


『氷夜....。』


(ひょうや? 誰? 前にも聞いた名前だけど。)


王子の視線の先には黒塗りの大きな車。


ゆっくりこっちに近づいて来る。


『舞...俺の後ろに下がれ。』


『王子? 』


『速くっ! 』