私の彼は王子で死神

保健の先生が不思議そうに聞く。


『都筑さんが具合悪いようだったので来たんですが、僕鍵掛けるの癖で、つい間違っちゃって..すみません。』


しおらしく言ってにっこり微笑む。


みるみる先生の頬が赤くなるのが分かった。


『そうだったの...優しいのね? 鏡くん。』


( 詐欺だっ! 嘘つきっ! )

あたしが王子を睨むと。


『都筑さんも良くなったそうなのでこれで失礼します。』


『分かったわ。』


『ちょ...待っ...。』


またあたしは王子に引きずられるようにして保健室を後にした。