恐る恐る振り返るとにこやかに微笑む王子が。


しかも眼鏡っ!


ますます頭がぼーっとして目眩までしてきた。


『辛そうですね? 舞さん? 保健室まで送りますよ。』

(舞さん? )


『では失礼。』


昨日と同じ様に抱き上げられ、歩き出す王子。


周りに居た女子がとたんに騒ぎ出すのが聞こえた。


『ちょっと! あの女誰よ?』


『王子の何? 』


『ムカつく...倫さんに報告しなきゃ。』


(うわ...最悪。)


葛城 倫は王子のファンクラブの...確か会長だった筈。


昔 ヤンキーだったとかで物凄く怖いらしい。


だから王子は人気はあっても告白はあまりされない。