『眠い...。』


昨日は結局朝方まで眠れず、バスにも乗り遅れて母さんの車で学校まで送って貰った。


『舞、 大丈夫? 』


友達の加奈が心配そうな顔をして言った。


『うーん...頭痛い...保健室行ってくる。』


『次は自習らしいからゆっくりしてきなよ? 』


『とりあえず鎮痛剤貰ってくるよ。』


(ふらふらする...。)


保健室は学校の一階だからあたしの教室がある三階からはかなり距離がある。


二階に降りたあたりで足元がふらついて、階段の手すりに額を押し付けた。


(冷たくて気持ちいい。)


『大丈夫ですか? 』


柔らかな声が背後から聞こえた。


(...この声は? )