私の彼は王子で死神

そして今、まん丸なお月様の下にあたし達は立って居る。


『命の保証は出来ない』


静かに冬夜が言った。


『今さら』


春影さんが長い髪を一つに縛り笑う。


他の皆も静かに頷いた。


『マツリ! マツリ! 』


何処からかレイヴンのしゃがれ声も聞こえてくる。


『 王子様は怖じ気ついちゃった訳ぇ? 』


嵐が茶々を入れると間髪入れず、


『黙れ、単細胞』


冬夜が返す。


『ちぇっ、可愛くねーの』

そんな会話もとても大切に思えるのは感傷的になっているせいだろうか。


『舞、』


指が絡められ私はしっかり手を繋ぐ。


『うん』


(終わらせましょう)


姫の声が聞こえた気がした。


『行くぞ! 我らがファミリアに! 』


凛とした声と同時にまたレイヴンがギャア、と鳴く。

『デカイマツリ! 』


ぐらり、目眩がして月が歪んだ。