私の彼は王子で死神

姫も氷夜さんに対してこんな気持ちだったのかも知れない。何時までも一緒に居たい…きっとそう思ってたんだ…例え血が繋がっていても。


姫…気持ち…解るよ?


もし、冬夜があたしの前から居なくなったら。あたしが冬夜の前から居なくなったら。


一体どうなってしまうんだろう…考えただけで身体が震える。それだけ、もう、冬夜はあたしにとって大切なかけがえのない人なんだ。


『…どうした? 』


抱く腕の力を強め心配そうな声が上から降ってきた。

『んとね…あたし今凄く満たされてるの。コップに水が一杯入ってるみたいに』


『ああ』


『きっと零れるのが怖いんだよ…』


『そうか…』


『不思議だね。幸せなのに怖いなんて』


『馬鹿だな…舞』


『?』


冬夜が力強く言った。


『蓋をすれば良い…そのコップにな? 俺がしてやる。だから心配するな』


『…うん』


あたしは本当にこの人を好きになって良かった。


心から、思った。