『…あの… 』


どうしよう、本気で怒っちゃったのかな?


『あの…ね? もちろん姫に頼まれたから…ってのもあるけど本当は冬夜と離れたくないんだ…』


おずおずと背中に腕を回しぴったり頬をくっっける。

『…好き…』


『ーーっ!!!』


ぐるん、と冬夜が半身向き直り、ぎゅううっと痛いほど抱き締められ苦しい。


『…けほ…っ…苦し…』


『お前…っ、計算してやってるのか? 』


『…へ? 』


『…っ可愛過ぎだろ…』


耳まで真っ赤に染めたその顔に急にこっちまで恥ずかしくなりあたしは視線を下に向ける。


『…お前が愛しく、眩しい』


耳許で囁く。


『真っ直ぐで、優しい。そして自分に嘘をつかない』

『そんな事…』


『実は俺も離れたくなかった』


顔を上げるといたずらっ子の様に微笑む冬夜の顔がそこにあった。