『ちよっと待って! ね…NO.2さん』


今は争ってる場合じゃ無い。早く魔界に行って姫の亡骸を見つけなくちゃいけないのに。


あたしが話し掛けると今まで獰猛なライオンさながらだったNO.2がへにゃりと顔を崩して笑った。


『姫ちゃん、俺の名前嵐(あらし)って言うの、あっ君って呼んで? 』


『んじゃ、あっ君』


『なぁに? 』


『舞』


冬夜がくるり、と振り返った。何故か笑顔…額に青筋見えるけど、目が笑ってないけど。


背筋に悪寒が走った。仕方ない。気付かないふりをして話を続ける。


『あたし達今、取り込み中だからまた今度にしてくれる? 』


『…分かった…また来る』

こっくり大きく頷くとあっさり あっ君…もといNO.2は帰って行った。


『舞…また余計な事を』


言うなり頬っぺたをぎりぎりと冬夜につねられてしまった。


『いひゃい…っ』


『来いっ! 』


『ひゃああぁ…』


みんなの気の毒そうな視線を感じながらあたしは引き摺られ部屋に戻った。