私の彼は王子で死神

『冬夜…NO.2だって…』


『…そのようだ』


なのにこの緊張感のない間延びした声は一体なんだろう。


まるで友達の家に遊びに来た様な。


『この忙しい時に』


舌打ちをした冬夜と共に玄関に行ってみると、絶句して放心状態になった春影さん、夏月くん、秋雲さんとは対照的にそのNO.2はにこにこ笑って言った。


『ちぃーす! さっさと終わらせようぜっ! 俺デートの約束あるし』


と言った。


とにかく身長が高い。余裕で180超えてるはず。


金髪の髪は立ててあって、唇にピアス。


アクセサリーじゃらじゃら。


一応高校のブレザー来てるけどだらしない事この上ない。


腰パン。


『…なんか今どきって言うか…変わった死神』


あたしが言うと。


『…頭が痛くなってきた』

こめかみに片手を当てて冬夜が呟いた。