『舞っ! 』


『姫? 』


同時に氷夜さんと冬夜が叫んだ。


高城君の兄さんの前に立って両手を広げる。


『姫...どきなさい。』


『退きません。』


後ろから掠れた、苦しそうな声が聞こえて来た。


『なんで俺を庇う。』


高城君の兄さんだ。


『理由なんてない。嫌だから、それだけ。』


『変わった姫だ...。』


『五月蝿いよ。』


『さて...愛しの我が姫...氷は真っ直ぐしか飛ばないとでも? 』


にこやかな顔を崩さずに言う氷夜さん。


『舞...無茶したな? 』


冬夜があたしの前に鎌を構えて守るように立った。


『ごめんね? 』


『いや...お前らしい。』


顔を見合わせて笑う。


『俺がお前を守る。』


氷夜さんを睨みながら冬夜がはっきり言った。


『...勘違いするな...僕は姫を傷つけるつもりはない。』


『黙れ! 氷夜! 』


冬夜が言ったその時。