いつもの朝。


いつものバスの中。


今日も王子は静かに文庫本を読んでいた。


でも、まだ学校近くの停留所まで大分あるのに王子は文庫本をしまって降りる準備を始めている。


(あれ? 何で? )


動揺している間にバスから降りてしまう。


『あたしも降りますっ!』


考えるより先に声が出てしまっていた。