『...あたしは姫じゃありません。それに...。』


息を大きく吸い込んで氷夜さんをしっかり見詰めた。

『冬夜が好き...大好きなんです。ごめんなさい。』

『...舞。』


『...今はそれで良いよ? 姫。でもNO.3は許せないな。』


再び手のひらを高城君の兄さんに翳す。


『止めてっ! 』


『...っ...俺が全部叩き落としてやる! 』


『冬夜。僕の氷の刃を全部落とすのは無理なのは分かるだろう? 現に刺さってるし。』


クスクス笑いながら氷夜さんが言った。


(どうしたら...どうしたら良いの? )


止められるとしたら。


私しかいない。


(後で冬夜怒るかな? ごめんね。)


『よしっ! 』


冬夜に気を取られている氷夜さん。


あたしは駆け出した。