(冬夜っ! )


あたしを見て冬夜が頷いた。


『もう決着はついた。あんたの出る幕じゃない。』


『ふふっ...どいつもこいつも皆姫を狙ってる。』


氷夜さんがあたしを見た。

絡まる様なその視線。


『....っ。』


思わず一歩後退さる。


『本当に...。』


手のひらをお兄さんに向ける氷夜さん。


『止めろ! 』


冬夜が叫んだ。


『むかつくんだよっ!!!!』

冬夜さんが怒鳴り、鋭い、風を切る音。


冬夜が跳躍して何かを鎌で弾き飛ばした。


キラキラした破片が地面に落ちて。


『うっ...!』


高城君の兄さんがうめき声を上げ、その太股に大きい氷柱が刺さっている。


スローモーションみたいにゆっくりで。


あたしはただ見ている事しか出来なかった。