私の彼は王子で死神

(...緊張してきた。)


惚れた弱みか、色々想像して何だか落ち着かない。


もし、まだ怒ってたら。


もしかして嫌われたかも?


足取りが重くなって立ち止まったその時。


『舞さん? 』


振り返ると高城君がそこに居た。


『あれ? 今日休みだったよね? 』


『...うん...ちょっと。』

『あのさ...舞さん。』


高城君が何か言いたげに口を開いた時。


『う...っ...げほっ。』


膝をついて激しく咳き込み苦しそうに高城君が呻いた。


『どうしたの? 大丈夫? 』

『う...ん...薬が...家に....。』


『家どこっ? 』


『この......二階。』


目の前にマンションがある。


『送るよっ...掴まって? 』


『ごめ....。』


『いいからっ。』


高城君を抱えるようにしてあたしはマンションの中に入った。