私の彼は王子で死神

結局放課後になってもあたしのイライラは収まらず、チャイムが鳴ると同時にダッシュして家に帰り、次の日は学校に行く気にならず休んでしまった。


『...やっぱり行けば良かったな...。』


母さんは仕事で居ないし、家に居たって結局冬夜の事ばかり考えてしまう。


(きっと心配してあんな事言ったんだろうし...あたしも言い過ぎたな。)


『...よしっ! 謝ろっ! 』


学校が終わる時間を見計らって家を出ようとした時、電話が鳴った。


『はい。』


『あ、舞? 母さんだけど急に出張になっちゃって今夜帰れないのよ...悪い事に父さんもなんだって。一人で大丈夫? 』


『あ...平気、明日祝日だし。』


『本当? 何かあったら電話しなさいよ? 』


『うん。分かった。』


『じゃあね。』


今夜一人なら、尚更仲直りしないと眠れそうにない。

『冬夜...怒ってるかな? 』


あたしは急いで靴を履くと家の鍵を掛けた。