私の彼は王子で死神

『あ...ごめん...。』


慌てて握っていた手を離し、気まずそうに立ち上がると高城君は冬夜を見て言った。


(...なんか凄く機嫌悪いな...。)


学校ではいつもにこやかに笑っている冬夜が今は冷たい瞳であたし達を見詰めている。


『来い...舞...。』


『いたた...冬夜、腕引っ張らないで...分かったから。』


『鏡くん! 』


高城君が突然大きな声で冬夜を呼びとめ、静かな声で。


『舞さんは君のファンクラブの人達に叩かれそうになってたんだよ? きちんと付き合ってるならそう言った方がいいよ? 』


そう言った。


『...お前には関係ない。』


『でも! 』


何か言い掛けた高城君を無視し、冬夜にひきずられる様にしてあたしはその場を後にしたのだった。