私の彼は王子で死神

『先生なんて呼んでないよ。』


『え? 』


『僕 最近転校して来て友達居ないからいつもこの辺ぶらぶらしてるんだ。さっきは咄嗟の機転ってやつ。』


『あははっ...そうなんだ?』


『あのさ...助けたから言う訳じゃないんだけど、友達に...なってくれないかな? 』


視線を下に落として小さな声で高城くんが言った。


寂しそうな横顔。


『いいよ? あたしで良かったら。』


『本当っ? 』


高城くんが勢いよく顔を上げてあたしの手を握った。

その時。


『舞から離れろ。』


冷たく静かな声。


冬夜がすぐそばに立っていた。