私の彼は王子で死神

黙ってたら。


『生意気なんだよっ! 』


胸ぐらを掴まれ揺さぶられる。


(さすが元ヤンキー。)


変な所で感心してしまった。


『このっ...。』


手が振り上げられる。


(痛そうだなぁ...。)


そう思って目を閉じると。


『先生っ! こっちです! 』

甲高い男の子の声が近くから聞こえて来て、葛城さんは軽く舌打ちするとあたしを離してあっという間に居なくなった。


『大丈夫? 』


校舎の影から顔を出したのは痩せて顔色の悪い...たしか隣のクラスに最近転校してきた...。


『え...と...高城くん? 』

だったはず。


『嬉しいな? 僕の名前知っててくれて。』


高城くんはにっこり笑った。