『母さんっ! なんで起こしてくれないのっ! 』


『あら、まだ早いでしょう? 』


『王子の乗るバスに遅れちゃうよ? 』


『何? 王子? 』


首を傾げる母さんを尻目にあたしは大急ぎで身支度をすると玄関の扉を開けた。

『ご飯は? 』


『要らないっ! 』


慌てて靴を履くと全速力で走り出す。